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《赤井夢》Happiness{R18}

第26章 授業




子供達は自分で作ったパンを大事そうに抱えながら帰って行き
みんなを見送った後、改めて講師の2人にお礼を伝えた。




『今日は本当にありがとうございました!』

「いえ、こちらこそご馳走になってしまって…。
子供達、みんな喜んでて良かったですね!」




榎本さんの言葉に頷いていると
安室さんは余った食材と機材を車で喫茶店に届けてから帰ると榎本さんに伝えていた。




「じゃあ安室さん、よろしくお願いします。
若山先生、私はここで失礼しますね。」




榎本さんにペコっと頭を下げた後、
私も職員室に戻ろうと思い、安室さんの方へ体を向けた。




『じゃあ私もこれで。
今日はありがとうございました。』


「待ってください、美緒さん。」

『…。』




また何か探られる前に挨拶をして家庭科室を出て行こうとしたけど
そう簡単にはいかなかったみたい…。




『…何かご用でしょうか?』

「用というか何というか…
この前会った時よりお元気そうなので
何かいい事でもあったのかな?と思いまして。」




…そういえばこの前安室さんに会ったのは
赤井さんが生きてるかもってことと、
昴さんにキスされたことに悩んでた時だったから…





『何もないですよ?
ただパン教室が楽しかっただけです。』

「確かに美緒さんすごく楽しそうでしたもんね。
料理の腕も相当良いと聞いて驚きました。」




…私が料理できるのが意外だって言いたいのかこの人は!





『安室さんだって料理出来ますよね?
あのトマトソースも手作りだってすぐ見抜いていましたし。』

「えぇ、まぁ。
料理が得意な幼馴染に色々教わりましたから…。」




そう話した安室さんは
目を細めて、何だか少し寂しそうな顔をしていた。



彼のそんな顔を見るのは初めで戸惑っていると
急に足元が揺れて、机の上に置いてあるものがカタカタと揺れ出した。





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