第25章 紹介 ✴︎
「美緒ちゃーん!手伝うわよー!」
『!ありがとうございます!』
可愛らしい笑顔でキッチンに来てくれた有希子さん。
2人で手分けして食事の準備をしながら楽しく話をしていると、赤井さんがお酒とグラスを取りに来た。
『優作さんと飲むんですか?おつまみ持って行きますね!』
「いいのか?悪いな。」
私の頭をくしゃっと優しく撫でてから
赤井さんはキッチンを出て行き、その様子を見ていた有希子さんは私にニヤニヤしながら近づいてきた。
「本当に2人ってラブラブなのね〜?」
『!?えっ…と……そう見えますか…?』
「見える見える!
彼って美緒ちゃんに対してはあんなに優しい目になるのね?」
確かに赤井さんは私と恋人同士になってから
いつも私に優しい目を向けてくれるって思ってたけど
他の人から見てもそう見えるんだ…
なんか…嬉しいけど恥ずかしいな…
『あの、私…先におつまみ持って行きます…』
「ふふっ、よろしくね?」
ニコニコしている有希子さんに見送られて
私はリビングで飲んでいる2人の元へ向かった。
『お待たせしました。これ、よかったらどうぞ?
大根と生ハムのマリネです。』
「ありがとな、美緒。」
『っ、いえ…。』
私に笑顔を向けてくれた赤井さんがカッコ良すぎて
顔が赤くなる前に私はすぐキッチンに戻った。
…きっと赤井さんにはバレているだろうけど。
そして再び有希子さんと共に食事の支度に取り掛かり
出来上がった料理をダイニングテーブルに運んだ。
今日の献立は元々作る予定だった煮込みハンバーグに
ほうれん草のソテーとにんじんグラッセ、
冷凍のアサリを使ったクラムチャウダーで
さっき出したおつまみも作る予定だったものだ。