第25章 紹介 ✴︎
side 赤井
優作さんが美緒に食事の支度を頼み
席を立ったあいつ見送ると、優作さんは真剣な表情で俺を見つめていた。
「赤井くん、コナン君からも少し聞いているが
美緒さんは一般人なんだろう?
他所様の恋愛に口を挟むつもりはないが少し心配でね…
本当に恋人として側にいるつもりなのかい?」
「ちょっと優作、いきなりそんなこと…」
優作さんの気持ちは分かる。
俺も彼と同じ立場だったら、同じような質問をするだろうから。
「確かに美緒は一般人です。
一緒にいるべきではないことも分かってるつもりです…
一度は離れる事を決意しましたから。」
俺の言葉に黙って耳を傾けている2人に
自分の気持ちを素直に話した。
「だが無理でした。
美緒がいない日々に耐えられなくて
離れれば離れるほどあいつを思う気持ちが大きくなりました。
それに…例の組織のメンバー1人が美緒に接触してきています。」
「「!?」」
俺の言葉に驚いている2人は
だったらなおさら離れた方がいいんじゃないかという視線を送ってきた。
でもそれは……俺にはどうしても無理だ。
「美緒のことは、必ず俺が守ります。
だからどうかお二人には見守ってて頂きたい。
…お願いします。」
ゆっくり頭を下げると
優作さんの声が上から降ってきたところで顔を上げた。
「コナン君から美緒さんは元々、
この世界の人間ではない事も聞いているし
組織の人間に狙われる可能性もあるなら
赤井くんの側に居た方が安全かもしれないな。」
「そうね…
それに2人とも相思相愛でラブラブみたいだし
いいんじゃないかしら?」
…有希子さんの言葉に少し呆れている優作さん。
でも彼女は全く気にせずに俺に笑顔を向けている。
「何かあったらいつでも相談してね?」
「ありがとうございます。」
話が終わったところで、有希子さんは立ち上がり
キッチンの方へと向かって行った。
「赤井くん、せっかくだし一緒に酒でもどうかね?」
「いいですね。飲みましょうか。」
酒とグラスを取りにキッチンに向かうと
美緒は有希子さんと楽しそうに話しており
その姿を見ただけで、フッと笑みが溢れた。