第4章 熊猫
side 赤井
今日はFBIの上司であるジェイムズと落ち合う予定。
待ち合わせ場所に向かっている途中、彼と連絡が取れなくなった。
「全く…
予定の時間を過ぎているのにどこに行ったんだ。」
上司の悪口をボソッと呟きながら適当に車を走らせていると
反対車線の方に
コートを羽織った男2人と脇道から出てくる上司の姿が見えた。
ジェイムズは無理矢理車に押し込まれており
何事かと思っていると、脇道からもう1人……
先日バスジャック事件の時に見た女が彼らに声をかけていた。
「……またあの女か…。っ、!!」
彼らの様子を見ていると
彼女はコートを着た男に後ろから殴られ地面に倒れてしまい
男達は車に乗って走り去った。
俺は適当な所で車を停めて、女が倒れている歩道まで走った。
「おい…!大丈夫か!しっかりしろ!」
どうやら気絶しているだけのようだが
こんなところに放置しておくわけにもいかず…。
俺は彼女を抱き抱え車に戻り
後部座席に寝かせ、ジェイムズを乗せた車を追いかけるために車を走らせた。