第23章 信用
「しかし不思議なことが起こるもんじゃのぉ。
まさか転生して2回目の人生を送っているとは…」
「博士…、分かってるでしょうけど
この事は絶対誰にも話したらダメよ。
先生が組織に狙われない為にもね。」
いや……
もうすでにバーボンさんに目をつけられているから
手遅れなのかもしれないんだけど…
『私が本当のことを話したのは理由があるの…
もし私が…その組織の人達に狙われたとしても
私は絶対、あなた達のことは話さないから。
例え…殺されたとしてもね?』
「「先生……」」
『私にとって2人は大事な生徒だもん。
教師が生徒を守るのは当たり前でしょ?』
私は帝丹小学校で働くと決めた時から
2人のことを見守ろうと心に決めてた…
そして私の言葉を聞いた
2人は呆れたように肩をすくめて笑っていた。
「まぁ、先生に近づいてくる敵がいたら
きっと工藤くんが気づくと思うわ。」
「学校で何か気になることがあればいつでも教えて!
でも先生のことは、昴さんも気にしてるだろうからきっと大丈夫だね。」
江戸川くんが昴さんの名前を出すと
あからさまに嫌な顔をした灰原さん。
…赤井さんの言った通り、本当に彼は警戒されているようだ。
「なんで昴さんが先生を気にするの…ってまさか
先生あの男と付き合い出したんじゃないでしょうね!?
服も昨日のと同じだしあの家に泊まったの!?」
『っ、違う違う!泊まったのは本当だけど
そんな関係じゃないよ!!
確かにあの人のことはその…好きなのは否定しないけど
恋人じゃないから!』
「え……そうなの…?」
いや、そうなのって……
江戸川くんは不思議そうな目で私を見ていたけど
赤井さんと私が恋人になれるわけないじゃない。
だってあの人FBI捜査官だよ?
私なんかと付き合ったりしたら赤井さんの格が下がるよ!
私はただ…
赤井さんが私の事を大事に思ってるって言ってくれただけで満足だし、わざわざ私達の関係に名前をつける必要なんてないと思ってる。
今までみたいに時々彼に会えれば、それだけで私は幸せだ。