第23章 信用
「最後にもう一つ聞きたい事があるんだが…」
『?なんですか?』
「お前は俺の事を知人に聞いて知っていたと言っていたが
どんな事を聞いていたんだ?」
『えっと…ほとんどが容姿のことなんですけどね…?
その知人は赤井さんが推しだったみたいで
何度も写真を見せてもらいました。
ニット帽被ってて、FBIの捜査官で強くて頭も良くて
狙撃の名手で、滅茶苦茶かっこいいって聞かされてて…
実物見たら本当にその通りでした!』
「…。」
返事がない赤井さんをチラッと見ると
何故か口元に手を当てて顔を隠していた。
『赤井さん…?
なんか顔が赤いようですけど…』
「誰のせいだと思ってるんだ…」
『え…!?私ですか!?』
なんで!?何か変な事言ったっけ!?
遠回しに赤井さんがカッコいいって言っただけだよね…?
「…美緒に褒められるだけで
まさか自分がこんなに心乱されるとは思わなかった。」
『!?え…それってまさか…
照れてるってことで…合ってますか…?』
「…俺が照れたら悪いか。」
『いえ!全然っ!悪くないです!』
むしろもっと見ていたい…!
さっき見た時も思ったけど
照れてる赤井さんなんて今度いつ見れるか分からないもん!
目に焼き付けておこうとじーっと見つめていると
赤井さんは私をギュッと抱きしめた。
「だからそんなに見つめるな、馬鹿。」
『ふふっ、ごめんなさい。』
しばらくそのまま赤井さんに抱き締められていると
工藤邸のチャイムが鳴り、赤井さんが立ち上がってモニターを見に行くと江戸川くんが訪ねてきたようだった。
『赤井さん、
私、江戸川くんと灰原さんにも話があるので話してきていいですか?』
「わかった。だがあの茶髪の子に俺のことは…」
『分かってます。
昴さんが赤井さんだってことは言いません。
彼らには私の素性を話すだけですよ。』
笑顔でそう伝えてから玄関に向かって歩き出すと
後ろから赤井さんに手を掴まれ
振り返るとそのまま優しくキスを落とされた。