第22章 極秘 ✴︎
私が以前会った事がある水無怜奈さんは
実はCIAの諜報員で赤井さんも追っている組織に
潜入捜査をしているそうだ。
コードネームはキール…
彼女は赤井さんを殺せと組織に命令され、
従うフリをしたとのこと。任務を遂行しなければ
水無さんが殺されてしまうから…
ちなみに燃えてしまったシボレーの車から見つかった遺体は、赤井さんではない別人。
昴さんに顔を変える変装は
この家の家主である工藤優作さんの妻…
工藤有希子さんが変装術に長けていて、その人から教わったらしい。
そして赤井さんの死の偽装に関する策は
ほとんど江戸川くんが考えたものと聞き、
彼の頭の良さに身震いするほど驚かされた。
『あの、今更なんですけど…
どうして私に生きていることを教えてくれたんですか?』
「その理由がお前に1番話したかったことだ。
…最近、俺の事を探りにきた男がいただろう?」
『あ、はい…。この前話しましたけど
名刺をもらった金髪の男の人に赤井さんのことを聞かれました。』
「その男は組織の人間でな…コードネームはバーボン。
俺の死をずっと疑っていて、俺が生前親しくしていたお前の事を知り、何か知っているんじゃないかと探る為にお前に近づいたんだ。」
あの金髪のイケメンやっぱり敵だったの…!?
やばいな…今度会ったら私、殺されるかもしれない。
「俺の事を何か話したか?」
『いえ…あの人に聞かれた時は
まだ赤井さんが生きていることは疑惑でしかなかったので何も話してないんですが…』
「……まさかお前…あの男に何かされたのか!?」
そう言いながら身を乗り出してきた赤井さん。
急に焦ったような表情に変わっていて、そんな赤井さんを見て私の方が焦った。