第22章 極秘 ✴︎
『…ちょっと、何笑っているんですか。』
「くくくっ、悪い。お前の必死な顔が可愛くてな?」
……落ち込んでいるように見せたのはわざとか!
性悪!!
ブスッ、とむくれていると
赤井さんは私の頭に手を置き優しく撫でてきた。
「そんなに拗ねるな。それより、腹減っただろ?」
『…先にシャワー浴びたいです。』
「ああ、案内しよう。」
散乱した服を拾い、とりあえず一枚シャツだけを羽織って
お風呂場まで案内してもらった。
泊まるつもりなんて全くなかったので替えの下着も服もない。
なので乾燥機付きの洗濯機を貸してもらい、
洗い終わるまでの間はバスローブを借りることになった。
「風呂の中のものは適当に使ってくれていい。
タオルはここに置いておく。」
『ありがとうございます…。
赤井さんもシャワー浴びますよね?急いで出るようにします。』
「気にするな。
ここの隣にはもう一つシャワールームがある。
俺はそっちを使うからゆっくり入れ。」
…ホテルですかこの家は。
まぁ…かなりの豪邸だから二つあっても不思議じゃないけど…。
「ほら、早く入ってこい。
…それとも2人で一緒に入るか?俺はそれでも構わんが。」
『っ!?』
ニヤつきながらとんでもない事を言い出した赤井さん。
…そんなの絶対無理っ!恥ずかしくて死んじゃう!
『別々でお願いしますっ!!』
「そうか?残念だな。」
『〜〜〜っ』
ずっとニヤついている赤井さんの背中を押して
脱衣所から追い出し、お言葉に甘えてゆっくりシャワーを浴びさせてもらった。
洗濯機を動かしてバスローブを羽織りリビングに向かうと
赤井さんはもうすでにシャワーを終えていて
ラフなルームウェアを着て朝食を作ろうとしていた。
…そういえば昨日晩ご飯食べずにここに来たから
すごくお腹空いたな…。
『赤井さん、手伝いますよ。』
「すまないな。」
『私、すっごくお腹空いているのでたくさん食べたいんです。』
笑いながらキッチンにいる赤井さんの横に並ぶと
いくつかの食材が置かれていた。