第22章 極秘 ✴︎
赤井さんの声をもっと聞きたくて
名前を呼んでほしいと、おこがましいお願いをしたら
赤井さんは大きなため息をついた後、私の体を抱き上げた。
『え……えっ?赤井さん…?』
「なんだ。」
『あの…どこに行くんですか?』
「寝室だ。…抱かせろ。」
『っ…ぇ……え!?』
名前を呼んで欲しいとお願いしただけなのに
なんでそんな展開になってるの…!?
赤井さんにお姫様抱っこされながら1人でパニクっていると
一つの部屋の前に立ち止まった赤井さんは扉を開け、中に入ると
私をベットに寝かせ、すぐに跨ってきた。
「名前なら…今からたくさん呼んでやる……
お前を抱きながらな。」
『っ…』
私を見下ろしながらそう話す赤井さんはすごくカッコよくて…
私の顔はきっと、真っ赤に染まっているだろう…
「美緒…」
赤井さんは私の名前を呼ぶと、徐々に顔を近づけてきて
私の唇と赤井さんの唇が合わさった。
それはとても優しいキスで
本当に赤井さんが生きていたことを実感でき
嬉しくて胸が苦しくなって……
唇が離れると再び涙が溢れてきた。
「…嫌だったか?」
少し不安そうな彼の言葉に私は首を振った。
『嬉しいんです…赤井さんが目の前にいて…
生きててくれて、本当にうれしっ……んッ!』
話終わる前に再びキスで口を塞がれて
それ以上は喋れなくなってしまった。
「美緒…あまり俺を煽るな。」
『煽っ…!?そんなことしてません!』
「無自覚か…お前らしいな。」
『っ…ん…』
そう呟いた赤井さんをジッと見つめていると
再びキスをされ、それは先程よりも激しいものだった。
「美緒……もっと舌出せ。」
『…んっ、…恥ずかしい、です…』
「これからもっと恥ずかしいことをするんだが?」
『…相変わらず意地悪ですね、赤井さん。』
でも思い返してみたら
この意地悪加減は昴さんと全く一緒だ。
…本当に同一人物だったんですね。