第21章 標的
side 赤井
ボウヤを追いかけて犯人のスコーピオンを追ったが
俺が2人の元へ辿り着く頃にはもうカタはついていて
犯人の女性はボウヤがすでに倒し、気絶している様だった。
「流石だな、ボウヤ。」
「!!昴さん…!早く避難しよう!」
どうやら犯人は俺達を地下に閉じ込め火を放ち、
城が燃えている間に逃亡するつもりだったようだ。
気を失った犯人を抱えてボウヤと共に部屋を出ると
通路には白鳥警部、と呼ばれていた男性が出口まで誘導してくれた。
「じゃあ私は…彼女を警察に連行しますので。」
「…なら、私も付き合いますよ。
コナン君、後の事はお願いしてもいいですか?」
俺がそう尋ねるとボウヤは頷いてくれて
白鳥警部の車に乗り城を後にした。
「…いいんですか?彼女についててあげなくて。」
「ええ。美緒さんには毛利探偵がついていますから。
それより…あなたこそいいんですか?
エッグを盗むチャンスだったのに。」
「…はは。アンタには何となくバレてる気がしたよ。
俺と同じ様に変装してっからな…」
車を運転している白鳥警部は、実は怪盗キッドの変装で…
さすが変装のプロということもあり、俺が素顔じゃないことも見抜いていた。
「まぁ、僕は探偵でも警察でも無いので
あなたを捕まえようとは思ってませんから安心して下さい。」
互いに黙っていた方が都合がいいですよね?、と話すと
彼は苦笑いをしていた。
「一つだけ聞きてーんだけど…いいっすか?」
「何ですか?」
「何で犯人を追ってきたんだ?
あの名探偵に任せとけばよかったじゃねーか。」
「決まってるでしょう…
美緒を狙った犯人が許せなかったからだ。」
「…っ、怖っ…。」
俺達の会話はそこで終了し、警察に向かう途中適当なところで降ろしてもらい
俺は工藤邸に帰ってきた。
一息ついているとボウヤから連絡があり
全員無事に避難できたと連絡をもらった。