第21章 標的
『あの人が香坂先生のひいお婆さん…
とっても綺麗で素敵な人ですね!
なんだか香坂先生と雰囲気が似てます。』
「ありがとう、若山さん。
私、初めて曽祖母の顔を見られて…すごく嬉しい。」
そう言いながら写真を見つめている香坂先生はとても嬉しそうで…先祖が遺してくれた物を見つける事が出来て満足している様子だった。
しばらくすると光は消えて、エッグは香坂先生の手元に。
私もそうだけど
彼女が持ってこそ価値があるものだとみんな思ったようだった。
そして江戸川くんが台の中に入れてあった懐中電灯を取り出し周りを照らすと、私はある事に気付いた。
『あのー…
美術商の男性の方がいないみたいですけど…』
「本当ですね…何処に行ったんでしょう…」
「はぁ…仕方ない。エッグも無事に見つかった事ですし
来た道を戻ってみんなで探しに行きますか!」
毛利探偵に同意していると
江戸川くんが急に大きな声を出し、持っていた懐中電灯を毛利探偵に向けて投げた。
「うわっ…!!っ、何しやがるコナン!」
『ちょっと江戸川くん!
人に物を投げたらダメでしょ!?』
全くもう…!
毛利さんに当たってたら怪我してたよ!?
そう思いながら
私は地面に落ちて転がった懐中電灯を拾いに向かった。
「っ、先生だめだ!!」
「拾うな美緒!!」
『え…?』
声を掛けられて2人の方を振り向くと
昴さんが私の方へと走って向かって来ていた。
「っ、美緒!!」
『…!!』
昴さんは私に飛び付きそのまま2人で地面に横たわると
壁に何かが当たるような音がした。
「美緒…!怪我はないか!?」
『え……は、い……ないです…』
「みんな伏せて!!スコーピオンだ!」
江戸川くんがそう叫んでいる中
恐らくさっきのは銃の音で…
昴さんが私を守ってくれたんだと分かった。
でも……
さっきの昴さんは……