• テキストサイズ

《赤井夢》Happiness{R18}

第21章 標的



地下という事もあり中はかなり暗く
みんなが持っていた懐中電灯で光を灯しながら通路を進んでいく。


「結構奥まで続いているようですね。
こういう探検は大人になった今でもワクワクします。」

『ふふっ。確かにそうですね。』


昴さんと会話しながら歩いていると
江戸川くんが急に立ち止まって横道の通路を見ていた。


『江戸川くん?どうしたの?』

「今あっちの方で微かに物音が…僕見てくる!」

『え!?ちょっと江戸川くん…!』


彼の後を追い掛けようとしたら
白鳥警部が私を止めて自分が行くからここにいる様に言われてしまった。



『…大丈夫かな、江戸川くん。』

「彼ならきっと大丈夫ですよ、
ここで大人しく待っていましょう?」



昴さんにそう言われてしばらくその場で待っていると、戻って来たらなぜか探偵団のみんなも一緒だった。




『!?なんでみんなが!?一体どうしたの!?』

「違う入り口を見つけて入って来たらしいよ。
全くこいつらは…」

「あはは、子供の好奇心は侮れませんね。」


…呑気にそんなことを言っている昴さん。

まぁ大勢の方が賑やかでいいんだけどね…





再び通路を進んでいくと、行き止まりに差し掛かったが
江戸川くんが仕掛けに気付き、新たな階段が現れた。



そしてその階段を降りた先には
何かの台座と棺がある広い空間に辿り着いた。


その棺には錠がかけられていたけど
香坂先生が持っていた古い鍵で開かれ、
中には赤いエッグと共に白骨遺体が収まっていた。



その赤いエッグを大使館の男性が調べて
パカッと開けてみると中身は空…。


「ねぇ、それってマトリョーシカじゃない?
私の家にそのお人形あるよ!お父さんのお友達がロシアのお土産に買って来てくれたの!」


吉田さんがエッグを指差してそう指摘していたけど…


『昴さん、マトリョーシカって何ですか?』

「体の中に一回り小さな人形がいくつも入れ子になっているロシアの代表的工芸品ですよ。お土産とかプレゼントに人気の品です。」

『じゃあ…エッグはもう一つあるってことですか?』

「ええ。コナン君から聞いた話によると
そのエッグは鈴木財閥の蔵から発見されていて、ここにはない様です。」


私達がそう話していると
白鳥警部が鞄から赤いエッグより少し小さい緑色のエッグを取り出した。

/ 617ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp