第20章 忘憂
そして、翌日。
香坂先生に教えてもらったお城へ向かう為
電車に乗って駅からはタクシーを利用した。
山道をぐんぐん登っていくと綺麗なお城が見えてきて
タクシーを降りると香坂先生はまだ到着していないようで誰もいなかった。
『本当にすごく綺麗なお城…写真撮ろう!』
色んな角度から写真をパシャパシャ撮っていると
城の門から2台の車が入ってきた。
「若山さん!お待たせしちゃってごめんなさいね。」
「香坂先生!今日はお招き頂きありが……っ、え!?」
香坂先生が乗っていた車とは別の車から
毛利探偵と蘭ちゃん、そして江戸川くんが降りてきた。
「「若山先生!?」」
「先生!?なんでここにいるの!?」
「あら、毛利さん達と若山さんってお知り合いだったんですか?」
まさかこんな所で江戸川くん達に会うなんて…
驚きだ。
「…じゃあ若山先生は
夏美さんがやってたお菓子教室で仲良くなってここに?」
『うん。お城の中も見せてくれるって言われてね。
江戸川くん達はどうしてここに?』
彼に詳しく話を聞くと
香坂先生の曽祖父が遺したのはロマノフ王朝の財宝とされる
卵の形をした「エッグ」と呼ばれる物で、それを探しに来たらしい。
そして「スコーピオン」と呼ばれる国際指名手配犯が
その財宝を狙ってこの城に来るかも知れない為、
毛利さん達と一緒に白鳥警部という警察の人も来ているのだと教えてくれた。
他にも美術商の人やロマノフ王朝の研究家の人、
そしてロシア大使館の人も来ており、みんなエッグを見てみたいと香坂先生に頼んでここ来たらしい。