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《赤井夢》Happiness{R18}

第20章 忘憂




「美緒さん、こんにちは。
こんなところで会うなんて奇遇ですね!」

『…こんにちは。』


…また出た、金髪のイケメン不審者。





私に近づいて来る彼は
先日、思い切り足を踏ん付けたにも関わらず
とても爽やかな笑顔を私に向けていた。




『ち、近づかないでもらえませんか?
私の半径1メートル以内に入らないで下さい。』


「随分と警戒されてしまいましたね。」


『当たり前じゃないですか…
あなたはそれほどまでのことをしたんです。
それ以上近づくと大声出しますから!』





キッと睨みつけながらそういうと
彼は困った様に笑いながら両手をあげていた。




「もうあんな事はしませんよ。
だからそんなに目くじらを立てないで下さい。」

『自業自得じゃないですか。
…じゃあ私は用がありますので、失礼します。』

「どちらに行かれるんですか?」

『あなたには教えません。』

「そう仰らずに教えて下さいよ。』


もう!なんなのこの人!!
イケメンじゃなかったら警察に通報しているところだよ!?


『お菓子作りの教室ですよ…教えてあげたんですから
もう着いてこないで下さい。』



ため息を吐き再び歩き出すと、
彼は急に私の横を通り過ぎて私の前に立ち、行く手を阻んだ。




「もう一つ、お聞きしたいことがあるんです。」

『…あの、そこをどいてもらえますか?』

「僕の質問に答えたら退きますよ。」


そう話す安室さんは、先ほどの穏やかな雰囲気とは違い
少し怖い…と思ってしまうほどの冷たい顔付きに変わっていた。


『なんですか…?』


答える義理なんてないと思うけど
あまりに真剣な表情だったから私はとりあえず話を聞くことにした。








「赤井 秀一……知っていますよね?」










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