第20章 忘憂
先日…
昴さんとキスをした日から私は彼と会っていない。
どんな顔して会えばいいのか分からないし
赤井さんのことも1人でゆっくり考えたかったから。
赤井さんが生きている事を知った私は
どういうことなのか説明して欲しくてずっと連絡を待ってるけど…
彼を見かけた日から1ヶ月経っているにも関わらず
赤井さんからの連絡は今まで通り何もないまま。
ジョディさんとも電話で話したけど
もう少し調べるから待っていて欲しいと言われ、結局何も分からないままの状況が続いている。
ちなみに昴さんとの料理教室は
しばらくお休みにして欲しいとお願いした。
昴さんも大学院の研究で忙しくなると連絡をもらっていて
私はその間、色々と気持ちの整理をすることに決めた。
そしてその1ヶ月の間に
私はとある料理教室に通うことになった。
それは有名パティシエによるお菓子教室。
抽選で応募し当選したその教室の先生は女性で
短期間だけ日本に滞在しているらしく
お菓子作りを極めたい私にとって、とても勉強になることが多かった。
何回かその教室に通い、気がつくと今日がお菓子教室の最終日。
少し寂しい気持ちになりながら
お菓子教室の会場のクッキングスタジオに向かった。
そしてそこに向かう途中……