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《赤井夢》Happiness{R18}

第19章 亡霊




「とにかく…
その金髪の男とは二度と会わないで下さい。」

『当たり前じゃないですか!
ただぶつかっただけの行きずりの人ですよ!?
っていうか、会うも会わないのも私の自由ですよね!?
昴さんには関係ないじゃないですか!!』


なぜか大きなため息をつかれて昴さんは不機嫌で…

意味が分からない私はつい昴さんに強い口調で言ってしまった。



「…。」

『帰ります。どいて下さい。』


グッと昴さんの胸を両手で押したけどビクともしなくて
今度は両肩を掴まれ壁に押し付けられた。



『ちょっ…!』

「逃しはしない。」

『っ…』

「お前には……俺だけを見ていて欲しい。」

『え……昴さ……っ!?』










口調が変わった昴さんに驚いていると
私の唇は昴さんの唇によって塞がれていた。





優しく重ねられた唇はゆっくりと離れ
昴さんは私の肩を掴んでいた手を離してから口を開いた。


「すみません…我慢できませんでした……
今日はこれで失礼します。」


昴さんは工藤邸の方へスタスタ歩き出してしまい
角を曲がって姿が見えなくなってから
私は壁にもたれかかったままズルズルと座り込んだ。




『…キス……されちゃった…』



私はまだ赤井さんのことを忘れられていないのに
昴さんとキスをしても全然嫌じゃなかった。

それになんとなくだけど…
唇の感触が赤井さんと似ていた気がしたんだ。




やっぱり…昴さんが赤井さんなの…?



ジョディさんとキャメルさんも
赤井さんを見たって言ってたし…


でも顔が全然違うし……



『っ、あーーー!もう!全然分かんない!
何がどうなってるの!?』



住宅街で座り込んだまま頭を抱え発狂していると
通行人に変な目で見られてしまい…


サッと立ち上がって帰ろうとしたところで
誰かに後ろからをポンと肩を叩かれた。



後ろを振り返ると、そこには行きずりの人だった金髪の男性が私に笑顔を向けながら立っていた。


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