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《赤井夢》Happiness{R18}

第19章 亡霊




一目見た時からすごく可愛くて
自分で買おうかなって思ったくらい…


うっとりしながらその時計を眺めていると
昴さんは私からスッと取り上げた。




「じゃあこれにします。」

『え!?そんな簡単に決めちゃっていいんですか!?』

「ええ。…贈る相手は貴方ですからね。」

『………はい!?ちょっと昴さん!』


彼はスタスタとお会計の所まで行ってしまい
私はすぐに後を追いかけた。




『あの!私にってどういう事ですか!?』

「いつも料理を教えてもらってるお礼をしたかったんです。
でも貴方にそう言っても何もいらないと言うでしょう?」

『当たり前じゃないですか!』

「騙すのは悪いとは思いましたが
こうするのが1番美緒さんの欲しいものを選べますからね。
僕からの感謝の気持ち、受け取って下さい。」

『〜〜っ!』


何だかしてやられた感が半端じゃないけど
昴さんがとても嬉しそうに笑うから、受け取れないなんて言えなかった。



「では、手首のサイズに合わせて調整しますので
一度はめてもらってもいいですか?」


店員さんにそう言われて自分でつけようとしたら
代わりに昴さんが私の手を取って時計をはめた。




「美緒さんの手首は細くてしなやかですね。」

『!!ちょっ…変な事言わないで下さい!』


店員さんもいるのに!



仲が良いんですね?と店員さんにニコニコしながら言われて
恥ずかし過ぎてたまらなくなった…。



「お時間は1時間ほど頂きますが…よろしいですか?」

「ええ、構いません。また後ほど取りに伺います。」



そして私達は時計売り場を後にし、
下の階にある喫茶店でお茶を飲む事にした。







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