• テキストサイズ

《赤井夢》Happiness{R18}

第18章 釣魚



『よーしっ!やるか!』


阿笠博士の家のキッチンを借り
調理に取り掛かろうとエプロンをつけて服の袖を捲った。



「美緒さん、手伝いますよ。」

『ありがとうございます。
魚は私が捌くので、昴さんは野菜を切ってもらえますか?』



2人で役割分担をしていると
その様子を見ていた子供達がニコニコしながら話しかけて来た。



「若山先生と昴さん、なんか夫婦みたいだね!」

『なっ…!?何言ってんの吉田さん!』

「でも確かに2人並ぶとお似合いに見えますね。」

『円谷くんも変な事言わないの!昴さんに失礼でしょ?
ほら、まだもう少しかかるから皆は阿笠さんの手伝いでもしてきて!』


「「はぁーい。」」




子供達は私がそう言うと
地下室に篭っている阿笠博士の元へと向かった。




「美緒さん、
どうやら僕達お似合いに見えるみたいですね?」

『!?もう!ノらなくていいですから!』



ニヤニヤしている昴さんにプイッと顔を背けてから
私は魚を捌き始めた。




しばらく2人で並んで調理をしていると
昴さんが私に話しかけて来た。


「あの、美緒さん。」

『?何ですか?』

「今度…僕とデートしませんか?」

『…はっ?デ、デート!?』


いきなり何言ってんのこの人は!
まさかまた揶揄ってるの!?


「だめですか?」

『いや…ダメっていうか…その…』

「実は少し買い物に付き合って欲しいんです。」

『そんな…私じゃなくても昴さんなら
デートする相手くらいたくさんいるでしょう…?』


昴さんと一緒にいると
彼を通してまた赤井さんのことを思い出しちゃいそうだし
そんなの昴さんにも失礼だ。


やんわり断ろうとしていると
昴さんは手を止めて、私の方に体を向けた。





「僕には…美緒さん以外に
デートしたいと思う女性はいませんよ。」





そう話す昴さんの顔はすごく真剣で…

ドキドキとうるさい心臓の鼓動を感じながらどうしようか考えたけど、とても断れる雰囲気では無く、行くことを了承した。






/ 617ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp