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《赤井夢》Happiness{R18}

第18章 釣魚




『…よし!
じゃあ博士の代わりに私が魚捌いてあげる!
みんな頑張って釣ったみたいだしご馳走作るよ!』

「先生、ほんとですか!?」
「やったぁ!!」
「先生ありがとな!楽しみだぜ!」

『ただし!学校の他のお友達には内緒ね?』




担任じゃないクラスの子にご馳走したことが知られたら
あんまりいい気がしない生徒もいるはずだから…


みんなと約束したところで
とてもいい笑顔を私に向けてくれる子供達。
この笑顔を見てると教師になってよかったなぁ…っていつも思う。




「僕も微力ながらお手伝いさせて頂きますね。
こんなにたくさんの魚を捌くのは大変でしょうから。」

『いえいえ!腕が鳴りますよ!
黒鯛はカルパッチョか…あとは煮付けにしてもいいかも!
あ、でも昴さんの家に海老があったからブイヤベースにしよう。
アジはやっぱり王道のムニエルと…
たくさんあるから天ぷらとフライも作れそう!』


1人で魚メニューを考えていると
昴さんと子供たちは私の様子を見て笑っていた。


「美緒さんは本当に料理が好きなんですね?」

「料理バカってやつだね。」

『ちょっと江戸川くん!
バカはないでしょバカは!せめて料理好きって言ってよ!』




みんなに笑われながらも船は進み
しばらくすると夕陽が見える時間となっていた。



「先生見て!綺麗な夕陽だよ!」

『本当…すごく綺麗だね!』




こんなに素敵な夕陽…

赤井さんにも見せてあげたかったな……





そんな願いは一生叶わないけど
とても綺麗だったから、持っていたスマホのカメラで写真を撮ると、夕陽の下の方に先が尖った影のようなものが映り込んでいた。



漁師の人に聞くと、それは一角岩と呼ばれている岩で
その昔…一角龍と言われる海龍がいて
自分の住処を荒らされないように海面から角を出して見張っているという伝説があると教えてくれた。


「あの岩は船も寄せやすいし
あそこなら夕陽ももっと近くで見れるんじゃねーか?」


漁師の人にそう言われるとみんなは行く気満々。
なんでもあの岩に立ち寄った子供は、泳ぎが上手くなる言い伝えもあるんだとか。






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