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《赤井夢》Happiness{R18}

第18章 釣魚




「NAME1#さん、大丈夫ですか?」

『だ、大丈夫ですっ!すみません、昴さん。』

「あなたが怪我をするのは見たくありませんからね。」

『!?』


またこの人は……!
そういう反応に困ることは言わないでっていつも言ってるのに!



昴さんからゆっくり離れ、船が動き出したところで
江戸川くんが私と昴さんに声をかけてきた。


「ねぇ、なんで若山先生も一緒なの?」

「僕が住んでいる家で料理教室をしてたんですよ。
美緒さんは料理上手ですから時々教えてもらっているんです。」


昴さんが江戸川くんに説明しているのを横で聞いていると
私の服が下からグイッと引っ張られ、目を向けると
灰原さんが私を見つめていた。


彼女と目線を合わせるためにしゃがむと
コソッと私に耳打ちしてきた。



「先生、
あの沖矢って人といつの間に仲良くなってたの?
まさか恋人?」

『!?違う違う!ただのお友達だよ?
さっき昴さんが言ってたように時々料理教室してるだけ。』

「そう…。あの人なんか嫌な感じがするから
気をつけた方がいいわよ。」


『い、いやな感じ…?』



それってまさか…例の組織と関係あるってことなのかな?




でももし昴さんが悪い人だとして、
そんな人がわざわざ私に料理を教わったりする?




…絶対しないよね。






『なんかよく分からないけど…一応気をつけるね?』


灰原さんとのヒソヒソ話を終えてから
今日みんなが釣った魚を見せてもらった。



『うわぁ!みんな凄いじゃない!
あ!これって黒鯛!?あとはアジもたくさんいるね!』



興奮しながら魚を見ていると
みんなは少し落ち込んでいる様子だった。




「こんなにたくさん釣れたのに
博士がいないんじゃ食べられないですよね…」

「急用なら仕方ないよ。」

「でもせっかくだから食いたかったよなー…」




しゅーん、と沈んでいる子供達を見ていると
昴さんが私の肩をちょんちょんと叩いてきた。


顔を向けるとニコッと微笑んでいたので
彼の言いたいことはすぐに分かった。




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