第17章 相似
「若山先生と昴さんってどういう関係なんですか?
ひょっとして…恋人同士とか!?」
嫌な予感的中…!!
女子高生ってこういう話題大好物だもんね…
『あ、あのね、私と昴さんは…』
「残念ながら恋人ではないんです。
でも美緒さんは僕の大切な人ですよ。」
『!?!?』
またこの人は恥ずかしくなる事をサラッと言うんだから!
しかも人前で!!
「え、え?
それってひょっとして昴さんは若山先生のこと…!」
『違っ、違うよ園子ちゃん!私と昴さんはただの友達です!』
「えー…そうなんですかー?
お似合いだと思ったんだけどなぁ。」
いやいや
昴さんみたいなイケメンに私なんか似合わないよ。
どうしてそう思ったのか不思議でならない…
『それより昴さん、寝癖ついてますよ?
もうお昼過ぎてるのに…また夜更かししたんですか?」
「ええ、まぁ。
実は起きてからまだ何も食べてなくて…」
「じゃあ私と園子が何か買ってきますよ!
さっきは訳も聞かずにいきなり蹴り飛ばしちゃいましたからそのお詫びも兼ねて…」
「ではお言葉に甘えて…
さっき君達が食べたウェルカムバーガーでも…」
…。
昴さん…初対面なのになんでそんなこと知ってるの?
2人も私と同じように
バーガーショップに寄っていたことを的中させた昴さんを不思議に思っていた。
「たわいない事ですよ。
茶髪の君は僕のことを泥棒だと疑っていた時は
目の前で啖呵を切っていたのに、不審な男じゃないと分かった途端に僕から離れ、
ロングヘアーの君の後ろで隠れるように話している。
これは恐らく僕のことを少なからず好感の持てる異性だと意識し、自分の口臭を嗅がせたく無いと気を遣ったから。
つまり、ウェルカムバーガーで最近新発売された
ニンニクの効いたガーリックサンドを食べたんじゃないかと思ったんですよ。」
「でもニンニク料理なら他にもたくさん…」
「さっきスマホで警察を呼ぼうとした時
使いづらい薬指で操作してましたよね?
それはその店でフライドポテトを食べた際に親指、中指、人差し指に付いた油を完全に拭き取れていなかった為…
ロングヘアーの君の口元にも少々塩が付いていますしね?」
昴さんがそう推理すると
女子高生2人は慌てて洗面所に駆け込んで行った。