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《赤井夢》Happiness{R18}

第15章 空虚








子供達は阿笠博士の車で、私は沖矢さんの車の助手席に乗り
米花総合病院に向かった。


『本当にありがとうございます。
お住まいが火事になって大変な時に…』

「いえいえ。
こんなに可愛らしい先生を助手席に乗せれるなんて役得ですよ。」

『か、かわっ…!?何を言ってるんですか!?』

「ははっ、どうやら先生は照れ屋な様ですね。」

…急に可愛らしいなんて言われたら
誰だって照れると思うんですが!?




『沖矢さんだってすごくイケメンじゃないですか。
相当モテるでしょう?』

「いやぁ、残念ながら女性には好かれないんですよ。
大学院で研究ばかりやっていますから出会いすらないんです。
…先生こそお付き合いしてる人はいないんですか?」

『私も残念ながらいないんです。
…忘れられない人はいますけどね。』


恋人なんて作る気は全くない。
今でも私の頭の中は赤井さんでいっぱいだから…


ふとした時にいつも赤井さんを思い出すのに
新しい恋人なんて作れるわけがない。



「…羨ましいです。」
『え…?』
「あなたにそんなに思われている男性が…とても羨ましい。」


運転席に座っている沖矢さんに目を向けると
私の方をジッと見つめていて、彼の真剣な表情を見ると
胸がドキッとしてしまった。


『あの…沖矢さん?』
「…着きましたよ。」
『っ、え?』
「病院。着きました。」
『あ…本当だ!ありがとうございます!』


何だか少し恥ずかしくなって
急いで沖矢さんの車を降り、病院の入り口に向かうと
子供達と阿笠さんが私達を待っていて、みんなで一緒に開人くんの病室へ向かった。





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