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《赤井夢》Happiness{R18}

第15章 空虚




「あのよォ、さっきから気になってるんスけど
その日記って何なんだよ。」
「黄色い人、とかっていうのも聞こえてたけど…」


どうやら容疑者の人達は開人くんの日記を読んでいた彼らを不審に思ってしまったようだった。
警部さんは気にしなくてといい、と言っていたけど
探偵団のみんなは声を荒げて黄色い人が火をつけた犯人だと豪語していた。



『ちょ、ちょっとみんな…落ち着いて…』

「大丈夫だよ、先生。
誰が黄色い人で放火犯なのかはもうわかってるからさ。」

『っ、えぇ!?』


あ…だからさっき笑ってたの?
笑ってたというよりニヤついてたって感じだったけど。


「まぁ、開人くんの言う赤い人と白い人が分かったから
黄色いも分かったって感じだけどね!」


江戸川くんは私達に解説をし始めた。




まず赤い人は雨の日に寝坊できる、ということから
毎朝何かをやっているけど、雨の日はその何かをする必要がないという事だと言っていた。


「若山先生もクラスの生徒に言ってるでしょ?
朝と夕方にやりましょうね、って。」

『それって…花にあげる水のこと…?』

「うん!だから毎日アパートにあった植物に水をあげてた沖矢さんが赤い人って事だよ。」

「だがよ、ボウズ。なんであの人が赤い人なんだ?
顔色からすると赤より白じゃないか?」


確かに…警部さんの言う通りだ。
何度か私を見てくるあの人の顔はなかなかの色白だ。



「さっき別の刑事さんに聞いたんだけど
開人くんの部屋の辺りに100台近くのミニカーがあったんでしょ?きっと開人くんは車が大好きだったんだ。
車で赤って言えば真っ先に思いつくのは…」


「「「消防車だ!!!」」」


な、なるほど…
開人くんは花に水を撒いている様子を見て
沖矢さんは消防車…赤い人ってあだ名を付けたんだね。



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