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《赤井夢》Happiness{R18}

第15章 空虚



「赤と白と黄色ですか…」
『着ている服もバラバラだし、名前に色も入ってないね。』


探偵団のみんなと私も一緒に考えてみるけど、さっぱり分からない。



でもきっと江戸川くんならすぐに解けるだろうから
私は大人しく見守っておくことにしたんだけど……


またまた眼鏡をかけた男の人からの視線を感じ
ゆっくり視線を向けたがまたすぐに逸らされた。



…本当に何なんだろう。

名前は沖矢さんっていうらしいけど
私にはそんな名前の知り合いはいないし……


『うーん…』
「若山先生、どうかしたの?」
『……ううん。何でもないよ。』


もう気にしないようにしよう。






警部さんが容疑者の人達に放火された時刻に何をしていたか
それぞれ詳しい話を聞いている様子を見ていると
吉田さんが私の手の甲を指差して声を上げた。



「若山先生、左の手の甲赤くなってるよ?」

『ああ、これ?今日家を出る時にちょっと引っ掻いちゃって。
でも大丈夫、少し血が滲んでるだけだから。』


私と吉田さんが話していると
大工さんの細井さん、という方が私に絆創膏を差し出してくれた。


「これ使いな。」

『えっ…いいんですか…?』

「ああ。俺、大工の新米でよく怪我するからいつも持ってんだよ。」

『どうもすみません。ありがとうございます。』


いい人だな…まるでレスキュー隊員みたいだ。



「先生、私が貼ってあげるから貸して」
『ありがとう、灰原さん。』



絆創膏を貼ってもらっている間、
江戸川くん達はみんなで開人くんの日記を読んでいた。

そしてその日記に書いてある江戸川くんの名前の所だけ
何度も消して書き直した跡があり、それは"クロシロ"と書かれていたことが分かったようだ。




『あ…そういえばこの前開人くんと話した時に言ってたんだけど
江戸川くんの事をクロシロくんって呼んでたよ?』


「っ、若山先生!それ本当!?」

『う、うん…なんでそんな風に呼んでるのか
聞いても教えてくれなかったけどね。』




私がそう答えると、江戸川くんは1人
不適な笑みを浮かべ3人の容疑者を見つめていた。




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