第15章 空虚
本当に探偵っぽい事やってるんだね…
小学生なのにすごいなぁ。
『じゃあみんながここに来たのは
その怪しい人の話を詳しく聞くためだったの?』
「そうだよ!
それで弓長警部、住人の3人って何してる人なの?」
江戸川くんの言葉を聞いて
警部さんはその3人の名前と職業を教えていた。
私もその人達の事を一緒に聞いている最中、
強い視線を感じたので顔を向けると
眼鏡をかけた男性が私をじっと見つめていて目が合った。
『…?』
すぐに目は逸らされてしまったけど…
どこかで会った事ある人なのかな?全く覚えがない…
不思議に思っていると、
1人の刑事さんが焼け跡から開人くんの日記を見つけ警部さんに手渡していた。
昨日の日記には
3人の住人の中の1人が赤い人で、その人は天気が雨の時は寝坊ができること、開人くんが転んでしまった時、白い人がいてくれて助かったこと、
そして最後に、黄色い人が夜中にアパートに帰ってきて
開人くんのお父さんと口喧嘩をしていたことが書かれていた。
さらに開人くんは
起きたらこの事を江戸川くん話さなきゃ…と日記書いていて
火をつけたのは恐らく黄色い人だということが分かった。
「黄色い奴って…誰のことだ?」
警部さんは首を傾げながら3人の住人を見つめていた。
その3人の容疑者は
大工の仕事をしている細井さん、
大学院生の沖矢さん、
フリーターの真壁さん、という人達だった。