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《赤井夢》Happiness{R18}

第15章 空虚




そして翌日。



朝起きてからお菓子の仕上げに取り掛かり
時間通りに着くようアパートを出て開人くんの家に向かった。

その途中で探偵団のみんなと合流し
一緒に開人くんの家に向かうことになった。


「ねー先生、それ何持ってきたの?」

吉田さんは私が持っている手提げ袋が気になったようで
指を指しながら不思議そうに見つめていた。


『開人君の家に手土産持ってきたの。
先生が作ったドーナツとクッキーだよ。
たくさん作ってきたからみんなで食べようね。』


「「「やったぁ!!!」」」

「へー。先生って料理できるのね。」

…灰原さん、私が料理できるのはそんなに意外!?
軽く傷つくんだけど…。


確かに私は頭悪いしドジなところもあるけど
元料理人で副料理長だったんだからね!?

…まぁ、そんな事は言えないけど…。


苦笑いしながら歩いていると
開人君の家である木馬荘に到着したが…


そのアパートは跡形もなく
黒い焼け焦げた跡だけが残っていた。



『嘘でしょ…?火事?』
「そういえば夜中にサイレンが鳴ってたわ。
まさかここだとは思わなかったけど…」


この木馬荘と灰原さんの住む自宅は近所だから
サイレンの音が聞こえたんだろう。
それよりも気になるのは…


『開人くん…大丈夫なのかな…』

アパートを見ながら呟くと、近くにいた男性が1人
私達の元へ近づいてきた。



「その開人ってボウヤは無事だ。
少々火傷は負っているが今は病院で寝てるよ。」

ホッと安心していると、
江戸川くんはその男性と顔見知りのようで
私達に警視庁の警部さんであることを紹介してくれた。


「弓長警部。この人は僕達の通う学校の先生だよ。」

『初めまして、若山 美緒と申します。
今日は開人くんに誘われて、みんなで遊びに来たんです。』

「違うよ先生!私達、ただ遊びに来た訳じゃないもん!」

『え…そうなの?』


吉田さんの話を詳しく聞くと、
開人くんのお父さんがこのアパートの大家さんで
3人いる住人のうち1人が夜な夜な怪しげな行動をしていて
それを彼ら少年探偵団に突き止めてほしいと依頼されたという。



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