第14章 残酷 ✴︎
『うーん……ん?』
パチッと目を覚ますと
私は素裸の状態のままベットに横になっていた。
…そうだ…私……赤井さんと…
思い出すと恥ずかしくて顔に熱が集まり枕に顔を埋めた。
私の頭を優しく撫でてくれた赤井さんはもう隣にはいなかったけど、赤井さんの温もりを全身で感じる事ができて、寂しいけどもう涙は出なかった。
私は数時間眠っていたようで外はもう真っ暗。
電気をつけてシャツを羽織り玄関に行くと
扉に備え付けられているポストには、赤井さんに渡してあった合鍵が入っていた。
…もう本当に…会えないんだな…
鍵を手に取ると寂しさが込み上げてきたけど
いい歳した大人が好きな人に会えなくなったからと言って
いつまでもメソメソしている訳にはいかない。
私は汗ばんだ体を綺麗にしようとお風呂に入り
晩ごはんを適当に済ませ、いつものようにテレビをつけながら
ぼーっと寛いでいた。
夜のニュース番組が始まり、
今日起こった事件や事故のニュースを眺めていると
一つのニュースが目に止まった。
『来葉峠で車が炎上…?』
しかもその車の中から1人の遺体が発見されたと
ニュースキャスターが解説している最中、
机に置いていたスマホが鳴り画面を確認すると
それはジョディさんからの電話だった。
『もしもし、ジョディさん?』
「美緒…今少し話せる?」
『はい。家にいるので大丈夫です。どうかしました?』
「……いい?落ち着いて聞いてね…
シュウが……死んだの。」