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《赤井夢》Happiness{R18}

第14章 残酷 ✴︎





…。




え……?





『し、死んだって………嘘…ですよね…?』

「さっき…警察で確認してきたわ。
来葉峠で炎上した車の中から遺体が見つかってね…
それがシュウだったの。」

『!!』


来葉峠って…


私はついさっきまで見ていたテレビに再び目を向けると
そこには燃え残った車の形が映し出されていて…
その車は私も見た事がある車種だった。


[炎上したのは黒いシボレーで、中に乗っていたのは20代から30代の男性とみられています。警察では殺人事件と見て捜査を続けており、身元の割り出しを……]




……なんで…?
赤井さん…数時間前までここにいたよね…?


ついさっきまで…私と一緒にいたのに…



私とはもう会えないって言われたけど
命を落とすなんて…聞いてないよ…!!


『何かの間違いですよ!
同じ車種に乗ってる人なんてたくさんいますし…!
絶対…赤井さんじゃないです!』


自分に言い聞かせるように震える声でそう発したが
ジョディさんは肯定も否定もしてくれなかった。



「美緒…私達の同僚もみんな混乱してるところだから…
落ち着いたらまた連絡するわね。」


電話を切る前、気をしっかり持てと言われたけど…



そんなの私には無理だ…



ツーツー、と電話が切れた音が聞こえて
私は力無くスマホを耳から離し、スマホはゴトン、と音を立てて床に落ちた。



赤井さんが死んだなんて…そんな……





『嫌だよっ…赤井さん……!いやだぁ…っ!!』





私の目から再び大粒の涙が溢れ
私は泣き叫ぶように声が枯れるまで泣いた。




…酷いよ、赤井さん。


私の体にあなたを刻み込んでおいて
この世から消えちゃうなんて……



もう2度と会えないこの苦しみを背負って
生きていかなければならないの…?


こんな残酷なことをされるくらいなら…




あなたと出会う前に戻りたい…





そう思わずにはいられなかった。






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