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《赤井夢》Happiness{R18}

第13章 病院



side 赤井


「はぁ…俺は一体何をしているんだ…」



美緒にキスをした。



それは紛れもない事実で…





泣きそうになっているアイツを見たら
無性に愛おしくなって、気がつくと唇を重ねていた。


ハッとして唇を離すと
美緒は何が起こったのか分からないような顔をしていて、俺は逃げるようにその場を立ち去った。

なぜキスをした?と美緒に聞かれても
なんと答えたらいいか分からなかったからな…



戻ってきた病院の入り口にはジョディとボウヤがいて
俺に駆け寄ってきた。


「ちょっとシュウ、どこに行ってたのよ!」
「いや…なんでもない…。少し一服してくる。」


何か言いたそうな顔をした2人から離れ、俺は屋上に向かった。






誰もいない屋上に着き、スマホのメール画面を開いた。
宮野明美から届いた最後のメール…

そのメールにはアイツが無事に組織から抜けることができたら
恋人になってほしいと書かれている。




「…悪いな。お前の気持ちには答えられそうにない。」

 

そのメールを消すことは出来ないが
俺の頭の中、そして心の中は……美緒で埋め尽くされている。




美緒は無事に家まで帰れただろうか…
1人で泣いていないだろうか…


夜空を見上げながらアイツのことを考えていると
屋上の扉が開き、そこから眼鏡のボウヤが姿を現した。


「ねぇ、ちょっと話しない?」
「フン…奴らを迎え撃つ策ならまだ思案中だが…」
「でもさー、ボク赤井さん見てて思ったよ。
…もしかしたらボクと同じ事、考えてんじゃないかって!」
「…。」


本当にこのボウヤは何者なんだ。
ただの小学生とは思えないほどの推理力、洞察力、判断力、行動力…
全てその辺の大人より明らかに上回っている…


問いただしてもよかったが
それより今は組織の奴らの襲撃に備えて策を練る方が先だな。







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