第13章 病院
……え…なんで……
なんで私…赤井さんにキスされてるの…?
頭の中がパニック状態になっていると赤井さんはゆっくり私から唇を離した。
『…あかい、さん…?あの…』
「っ…すまない…」
『え…?』
赤井さんは一言詫びた後、すぐに病院の方へと戻って行った。
……なんだったの…今の…
ていうかなんで赤井さんは私を追いかけて来たの?
なんで……私にキスしたの…?
意味が分からない……
色々聞きたいことがあったが赤井さんの姿はもう見えなくなっていて…
私も家に帰るためバス停に向かって歩き出した。
さっきまで明美さんのことでどうしようもなく悲しかったのに今はただ混乱している。
…赤井さんの考えていることが本当に分からない。
さっきのキスは…ただの気まぐれ?
私が泣きそうな顔をしてるのを見て、慰めようとしたとか…?
結局、いくら考えても分かるはずもなく…
無事に家に帰ってきた私だけど
帰り道は何度深いため息をついたか分からない。
『…悩みの種、増やさないで下さいよ……』
赤井さん……
なぜ私を追いかけてきたのか
なぜキスをしたのか…ちゃんと理由を聞きたいです。
あなたは……
私のことをどう思ってるんですか?