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《赤井夢》Happiness{R18}

第13章 病院




『え…赤井さん…?なんで?』


誰かに腕を掴まれ
振り向いた先には少しだけ息を切らした赤井さんが立っていた。

やっぱり病院にいたのは赤井さんだったんだね…




でも彼の顔を見たら
先程聞いたジョディさんの話を思い返してしまい
私は赤井さんから目を逸らし、掴まれている腕を引いて解こうとしたけど…


赤井さんはなぜか力を抜いてくれず
私の腕を離そうとはしなかった。



『赤井さん…あの、手を…』
「なぜ俺から目を逸らす。」
『っ、なぜって…』


…そんなの言えないよ。


赤井さんと明美さんの話を聞いて…
"嫉妬"したなんて……




寝言で名前を呼ばれるくらい
赤井さんに大切に思われている明美さんが羨ましくてたまらない。



亡くなった人にまで嫉妬するくらい
赤井さんのことが好きだなんて……



"死んだ人には敵わない"




赤井さんと目を合わせていたら
そんなことを考えている私の心なんて見透かされそうで怖かった。



「美緒…こっちを見てくれ。」
『っ、や…今はちょっと…』


これ以上一緒にいるのは無理だ。

我慢している涙が今にも流れ出しそうで…
醜く泣いているところなんて赤井さんには見られたくない。


グッと唇を噛んで耐えていると
赤井さんの手が私の顔に伸びてきて顎を掴まれ上を向かせられた。


『っ…』


無理矢理視線を合わせられると
赤井さんの顔が徐々に近づいてきて…





気がつくと私の唇と赤井さんの唇が合わさっていた。













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