第13章 病院
side 赤井
水無玲奈がこの病院に入院していることが組織の奴らにバレてしまい、彼女を奪還しに来る敵を迎え撃つ策をFBIの仲間と相談している途中、俺は一度部屋を出てトイレに向かった。
すぐに用を足して元の場所に戻ると
先程まで中に居たはずのジョディとボウヤが通路に出ていて
少し様子が変だったため声をかけた。
「おい、何かあったのか?」
「あ…赤井さん…」
「シュウ…!ごめんなさい…。」
ジョディは俺の顔を見るなり謝罪してきて
2人から詳しい話を聞くことにした。
「実は…さっき若山先生がここにいたんだ。」
「美緒が?」
「友達のお見舞いに来てたらしいんだけど
ここを通った時に僕とジョディ先生の会話を聞いてたみたいで…」
「私がコナン君に話してたのは…宮野明美さんのことなの。
彼女がシュウの恋人だったことも、
すでに亡くなっていることも…
たぶん美緒に聞かれ……!え!?シュウ!?」
俺はジョディの話を最後まで聞き終わる前に
病院の出口に向かって走り出した。
美緒が彼女の話を聞いてしまったと知り
体が勝手に動き出したんだ。
…美緒に…誤解されたくない。
その一心でアイツを追いかけて病院を出てから近くのバス停へと向かった。
あいつは車を持っていないし
ここに来るならバスで来るのが1番来やすい方法だから、きっと帰りもそうだろうと予想できた。
案の定、バス停に向かっている小さな背中を見つけ
走って美緒に近づき、彼女の腕を掴んだ。
驚きながら振り向いた美緒は
なんだか泣きそうな顔をしているように見えた。