第13章 病院
病院に到着すると面会時間終了まであと10分。
友人の病室に急いで向かって扉をノックすると
中から元気な声が聞こえてきた。
「あ、美緒〜。来てくれたんだね!」
『うん!思ってたよりも元気そうで安心したよ。
これ、お見舞いね。』
「さんきゅっ!」
少しだけ会話しているとあっという間に10分が過ぎ
友人に挨拶をしてから病室を出た。
帰ろうと思いエレベーターに向かって歩いていると
見覚えのある人が病院の廊下を歩いているのを見つけた。
『今のって……赤井さん…?』
赤井さんらしき人は私に気付かずフッと通路を横切って行ってしまい、私は小走りで追いかけたけどそこにはもう彼の姿はなかった。
『…見間違いかな?』
しばらく忙しいって言ってたし病院にいるわけないか…
再び出口に向かって歩き出そうとしたら
近くの扉からジョディさんの声が聞こえてきた。
…そして何故か江戸川くんの声も。
「…シュウの彼女、殺されたのよ。数ヶ月前組織にね。」
……え…
聞いてはいけない話だとは思ったけど
赤井さんの話をしているのがどうしても気になってしまい
私はジョディさん達の会話に聞き耳を立てた。