第2章 転生
「若山先生!さようなら!」
『さようなら。みんな気をつけて帰ってね!』
私は前世と同じ職にはつかず、小学校の教師として働いている。
料理人になるのが夢だったけど
実は教師になることも幼い頃からの夢だったの。
私は頭が良くないから前世では諦めたけど
今回は頑張ろうと思い、程よく遊びながらも勉学に励んでいた。
今の勤め先は小学校だけど
中学、高校にも勤める事ができるように大学時代に教員免許を取得した。
担当科目は英語。
小さい頃から親に頼んで英会話教室に通わせてもらい
高校時代にはアメリカでホームステイを経験したこともある。
お陰で英語は話せるようになった。
…理数系は壊滅的だけど、小学生相手に教えるくらいなら問題ない。
自分の担当するクラスの生徒に挨拶をし
教室を出て廊下を歩いていると、隣のクラスから複数の生徒が出てきた。
「若山先生!さようなら!」
『さようなら。車に気をつけて帰るんだよ?』
「「「は〜い!!!」」」
私に挨拶をしてきたのは1年B組の生徒達。
そしてそこには…
「江戸川くんと灰原さんもこの学校には慣れた?
気をつけて帰ってね!」
「「……はい…。」」
苦笑いをしながら返事をする2人。
見た目は子供だけど中身は違うから子供扱いされるのが嫌なんだろうな…。
そう…私が勤めているのは帝丹小学校。
ここがコナンの世界と分かった時から
米花町にある小学校で勤めようと決めていた。
…ただの興味本意で、
生でコナン君を見たかったと言う不純な理由だけど
まさかこの帝丹小学校が彼の通う学校とは思わなくて
転校してきた時は本当に驚いた。
私は現在教師3年目で、去年までの2年間は副担任。
今年から1年C組の担任をすることになり、その年に
江戸川コナンくんと灰原哀さんが転校してきた、というわけだ。