第2章 転生
ちなみに江戸川君が工藤新一、
灰原さんが宮野志保であることは知っている。
灰原さんが黒の組織の人間で
お姉さんを殺されてしまったことにより
その組織に追われていること…
2人が薬で幼児化していることも前世で教えてもらっていたから知っている。でもその事を本人達に伝えるつもりはない。
だってもし伝えたら転生したことを話さないといけないし、絶対そんな事信じてもらえるはずがないと思うから。
頭がおかしい人だって不審がられて
この学校から転勤させられる可能性もあるかもしれない…
私はあくまで2人のことを見守るだけのつもりだ。
職員室に入り自分の席に座ると
隣の席に座っている1年B組担任の小林先生が声をかけてきた。
「若山先生、初めての担任の仕事はどうですか?」
『楽しいですよ?
みんな可愛いですし、いい子達ばかりです。』
小林先生は私より年上だけど
ここの小学校では私の方が先輩だからという理由で
私にはいつも敬語で話してくる。
…そんなの気にしなくていいって言ってるんだけどね。
ノートパソコンの電源をつけて事務仕事をしようと思うと
ゴホゴホと咳が出てきた。
「若山先生、風邪ですか?」
『いえ…今まで何ともなかったんですけど…』
「ひょっとしたら生徒達からウイルス貰っちゃったのかもしれませんね。」
…確かにそうかもしれない。
最近は少し風邪が流行っているし、クラスにも欠席する子が何人かいたから。
「明日はお休みですし、帰ったらゆっくり休んで下さいね?」
『はい、そうします。』
他の先生達に移らないように
マスクをつけて仕事をこなしていると
本当に風邪をひいてしまったようで、かなり咳が酷く出てきてしまい、予定より早めに自分のアパートへ帰宅した。
適当にご飯を済ませて薬を飲みベットに横になっても
喉の痛みがますます酷くなってきて、なかなか寝付けず朝を迎えた。