第8章 決戦そして旅立ち
ヒ「ダブルを使ってトランプを防ぐことは無理。ダブルが出せないから
念によってダブルを作り出すには高い集中力が必要。君がいくら自由に出したり消したりすることができると言ってもそれは正常な状態だからこそ。
人間のように複雑なものを念で再現し、自由に動かしたりすることは凄く難しい。どれくらい大変かというと、そのちからを覚えてしまうと他の力を覚えなくなってしまう程…
ボクはそれを「メモリが足りなくなる」と表現している
君の敗因は、
メモリの無駄遣い♡」
そして彼は地に落ちた
「ぶはぁ…!」
観戦が終わりロビーのベンチで溜まっていた空気を吐き出した
キ「初めて見たけど…なんかすげー戦いだったな…」
「本当。夢に出てきそう…」
終盤なんかは驚き過ぎて息をつく暇もなかった。いつの間にあんな大掛かりな細工を…自分があの身だったらと想像するとゾッとする
翌日…
私達はウィングさんの宿に来ていた。隣にはズシ君も
ウ「今日からズシと共に修行をすることになります。ゴン君この2ヶ月間よく約束を守りましたね」
そう、今日はあの約束の解禁の日でもある
ゴ「誓いの糸のおかげです。実は何度も誘惑に負けそうになったんだけど…この糸を見つめてると…心が落ち着いてくるんです」
ウ「そういう念を込めておきましたからね」
ゴ「え。そうなの?」
ウ「いや、嘘ですけどね」
「…(汗」
キ「でもさ、何で約束守ったか分かったの?もしかしたらこっそりずるしてるかもしれないじゃん」
ウ「誓いの糸が切れてないからですよ。ゴン君、久々ですが纏をやってみてください」
ゴ「いいの?」
動きを静止させると、あの時と同じものが見えて来た
「凄い!補助なしでできてるよ!」
ゴ「良かったー!覚えてなかったらどうしようかと思ってた!」
ウ「一度覚えたものは忘れませんよ。勿論高度に使いこなすには努力を怠ってはいけませんがね」
ゴ「でも、前よりももっとスムーズにできたよ。全然纏の練習なんてしてないのに…」
ウ「君が点を毎日続けた成果ですよ。さ、左手を見てみなさい」
ゴ「あ!切れてる!」
キ「あれ?風呂でゴシゴシ洗っても取れなかったって言ってただろ?」