第8章 決戦そして旅立ち
カストロさんは念によってもう一人に自分を作り上げていたというのだ。そうか、あの違和感…消えたと見えていた筈なのに、直前脳が増えていると判断したからだ
それにしてもそれを生み出すだけでなく両方を操作するなんて並大抵の精神力じゃできない…それだけ沢山修行を…
…コスパが悪いと思ってしまったのは倹約主義の私の癖か…
カ「つまりお前は二人の私の相手をしなければならない!これが念によって完成した真の虎咬拳、名づけて虎咬真拳!!!」
『虎咬真拳…』
カ「次は右腕を頂く。まだ下らぬ余裕を見せているつもりか」
ヒ「うーんそうだなぁ◇
ちょっとやる気出て来たかな…」
ヒソカはもげた腕をひとかじりし、狂気を見せた後、それをスカーフで覆い隠した
ヒ「ボクの予知能力をお見せしようか◇」
そう言うとさっきあったはずの腕が消え、トランプに変わっている。目を凝らしてみてもやっぱりどこにもない
『ッれも念…なの?けど何も…
クッ…知識が足りなすぎる…!』
ヒ「この中から好きな数字を選んで思い浮かべて♡」
き「?」
ヒ「いいかな?
思い浮かべたらその数に4を足して、更に倍にする♡
そこから6を引き、2で割った数に最初に思った数字を引くと…幾らになるかな?
ボクはその答えをあらかじめ分かってた。
答えは…」
すると奴は自分の傷口に手を突っ込み出した。ぐじゅぐじゅと嫌な音が聞こえる
「み、見ちゃ駄目!」
慌ててきくの視界を遮った。アイツ…未成年になんてもの見せてんだ…!R-G18だよ!モザイク物だよ!!
き「いちだ。」
「え?」
ヒ「1、だろ?」
リングを向くとその傷口の中からまたトランプが
き「あいつ…見かけによらず理系思考なのかな?あの手口は数字を使ったトランプマジックでよく使われるんだ。まあ、いわば数学的トリックだね」
きくの顔がやけに真顔だ。あーこの子の得意分野数学だからな…スイッチ入っちゃったか…
き「ものには種がある。数学的で科学的な。アイツのいう魔法なんてないんだよ。
その理由が念によるものだとしても。
今分からないだけで、よく見ればきっと何かあるんだよ。リミットは、”私達が信じるまで”」
キ「にしても何なんだ、あの余裕」
また何か裏が…いや、意味のないこともしかねないと相手に想わせるところすらも奴の思惑なのかもしれない
