第8章 決戦そして旅立ち
目まぐるしく動くその攻防戦。しかし、その画にはどこか違和感があった。避けたはずの攻撃が…再び同じ方向から瞬時に炸裂するのだ。
ここから見れば、ヒソカは0.1秒前、別の誰かと戦っているように見える。まさか幻影?いや、仮にそれが念だったとしても、室内のスタジアムでそれをするのは困難だ。何十万という人が同じ光景を見ているのだから
「まるで…後出しじゃんけんみたい…」
「クリーンヒット&ダウン!!」
「何と、何と!カストロ選手による攻撃が一方的に続きます!!これで4対0!し、しかし、私が見たものは…気のせいだったんでしょうか…」
ヒ「気のせい、かな?今、君が一瞬消えたように見えたんだが…
いや、それは表現が正しくないな…目の前にいてボクに蹴りを入れてくれた君が背後にいた…が、一番近いと思うのだが…まだ何か違う気がする…
違和感…そうだな…何か基本的な見落としをしている感じかな♡」
カ「無駄だね。いつまでも逃げてばかりのお前には謎は解けまい。なんにせよもう待たない、次は腕を頂くぞ。
まだもったいぶるならそれも良かろう。
それまでの使い手だと思うまでだ」
そう言い放つと構えを取った。
き「何あのポーズ」
キ「虎咬拳…手のひらを虎の牙や爪に模し相手を切り裂く拳法。達人なら大木を真っ二つにすることも可能だ…」
あれがあの人の主戦力なのか…
ってこのままじゃヒソカは本当にやられちゃうじゃん!
彼の牙が襲い掛かろうとした時…
ヒ「あげるよ♡」
拳を突き出した
カ「フン、余裕かそれとも罠か。
いずれにせよ腕は貰った!!!」
こっちのな
ヒソカの腕が飛んだ。ほ、本当に切れるんだ…
カ「全てが自分の思い通りになると思ったら大間違いだ」
ヒ「…これも計算の内だね♡」
カ「ほざけ!」
一旦距離を置き、形勢を立て直したヒソカは口角を上げた
ヒ「クックック、なるほど♡君の能力の正体は…
君のダブル…だろ?」
き「ダブル…?」
カ「フッ、流石だな。正解だ」
カストロさんが腕を上げると、姿がぼやける…
「!?」
何度目をこすっても間違いない。ふ、二人いる…
ヒ「ドッペルゲンガーとかいう奴かい?」
カ「いかにも」
ドッペルゲンガー…それなら聞いたことがある…
三人集まると死んでしまうとか…都市伝説じゃなかったんだ