第6章 新たな旅
キルアside
ウ「キルア君、君たちがここに来た本当の目的は何なのですか」
呼び出されたからプライバシー的な話をされるのかと思ったけど案外そうでもなかった。本当の目的?別に隠してるつもりも暗躍してるつもりもないんだけどなぁ
キ「いや、目的って言われてもな…最初と趣旨大分変っちゃってるし。ズシとあんたに会わなきゃ、俺もただのこずかい稼ぎのつもりだったし、ゴンはヒソカって奴と戦う為に武者修行に来てる。それだけだよ。
200階クラスの連中の殆どは最上階が目的らしいけど、バトルオリンピア、だっけ?俺は興味ないね。あー…ゴンは…わかんないけど。
アイツ口ではヒソカと戦えればそれでいいって言ってるけど…昨日の試合のやり方…あれは…スリルを楽しんでるみたいだったしな」
あの60分間、誰もが目を白黒させた。50近くのコマを出し切り、どうすることもできないギドとそのフィールド上の僅かな隙間をかいくぐるゴン。残りの1ポイント。やり過ごすなら纏で防御に徹すればいいものの、あの判断に至ったってことは、つまりそういう事だろう
ウ「命さえ落としかねなかったあの状況を…楽しんでいた…と」
キ「ああ、俺もそういう事ないわけじゃないから分かるんだけどさ。
俺の場合、時と場所と開いてを選ぶけど、あいつは夢中になったら見境なさそうだしな。あ、でも同じ約束を二度破る奴じゃないから大丈夫」
ウィングって人、無表情に見えて意外と分かりやすい。まるでパンドラの箱を開けてしまった少年のような表情をしている
キ「もう遅いよ。もう知っちゃったんだから。
教えたことを後悔してやめるんなら、他の誰かに教わるか自分で覚えるかするだけ。責任感じることないよ。俺の兄貴も、ヒソカも念の使い手だったんだから、遅かれ早かれ念に辿り着くことになってた」
ウ「……
分かりました。
辞める気などありませんよ、寧ろ伝えたいことが山ほどあります」
あら、意外
ウ「宿でズシが待っています。彼女たちも誘って君も一緒に修行するといいでしょう」
キ「……や、いーや。
抜け駆けみたいなの嫌だからさ、ゴンが約束守れたら一緒に始めるよ。多分、さくらんぼたちもそう言う」
ウ「…心を許し合ってるんですね」
キ「そんなクサイのじゃないって。
……あ、この際だから聞きたい事あるんだけど」
ウ「答えられる範囲なら」
