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タカラサガシ【キルア】

第6章 新たな旅


キ「あいつさ、さくらんぼ。元々念使えてたじゃん」

ウ「使う、というか、共に過ごしている、という感じでしたが…」

キ「なんか腑に落ちないんだよね」

そう、あの宿の日から俺は喉に何かがつっかえたような気分だった。でも嘘をついているように思えないし、そんなことを本人に問い詰めるなんてことはできなかった

キ「ゆっくり起こす場合ってどういう方法があんの?」

ウ「んー…ズシには”燃”の方から徹底的に学ばせましたので、悪く言えば精神論ということになりますね。しかし、実際のところこの方法で確実に目覚めるとは断言できません。本人の資質にも関わってきますから。燃を一通り学んでも目覚めなかったという例は幾つかあります。
さくらんぼさんはジャポン出身だと聞いてます。あそこには燃に似た武道があるので国民特有の資質という説もあります」

キ「…」

ウ「あと考えられるのは、単純な鍛錬ですね。念は生命エネルギーですから、身体の維持力というのは意外と左右されています。妹さんを守る為に血の滲むような努力が実を結んだ、としか予想できませんが…」

キ「それだよ。勿論俺だってあいつが今までどういう生活をしてたか知らない。
けど…あくまであいつはただの子供で俺は殺し屋なんだ。言っちゃあ悪いけど、俺以上の鍛錬をしてたとは思えない。妹を守る為だったら、尚更」

そうだ。俺は体に毒を流し込まれ、電撃を浴びせさせられ、鞭打たれ、火炙りにされた。普通、なら人が死ぬレベル。妹を守りたいって思ってるなら、死ぬリスクをやすやすと
取るとは思わない

すると、ウィングは顔をしかめた


ウ「……なら、考えられる可能性はもう一つ」
キ「?」
ウ「彼女の本名を知った時、改めてあの記事を見直しました。本人も認めています」

ーウィングさんは他人の秘密を漏らすような人じゃないって分かりますから。ええ、そうです。それに間違いはありませんー

ウ「ゆっくり起こしたのではなく、



”本当は無理やり「起こされた」”
のだとしたら?」

キ「!」

ウ「強引ですがそれなら辻褄が合うようになってくる。

……私が教えられるのはこのくらいです。もう一度言いますがこれはあくまで予測に過ぎません。これ以上の情報提供はハンター協会まで関わってくる。本当のことを知りたければ彼女に聞きなさい」

さくらんぼ……お前は…何者なんだ
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