第6章 新たな旅
ウィングさんは一言も発することなくゴン君へ歩み寄る。その威圧感を感じ取ったのか慌てて口を開いた
ゴ「う、ウィングさん、あの、ごめんなさ――」
((ピシャッ
見事な平手打ちが飛んだ
ウ「私に謝っても仕方ないでしょう!!一体何を考えてるんですか!!」
目は凛々しく、声はラウドだった。初めて会った時からウィングさんは不思議な人だった。教師であり、父親のようなオーラの人だったから
ウ「念を知らずに洗礼を受けた人達は見たでしょう!君自身ああなってもおかしくなかったんですよ!!」
キ「あ、それ俺が言っといた」
こうやってさっきのと全く同じ会話が繰り広げられてるのも不思議だ(汗
ウ「全く…この程度で済んでよかった。本当にもう…」
ゴ「…ウィングさん…
本当にごめんなさ」
ウ「いーえ、許しません」
『やっぱ怒ってんじゃん…』
ウ「キルア君、医者は何と」
キ「全治2ヶ月だって言ってたけど」
ウ「分かりました」
あ、嘘ついたな
ウ「今日から二か月間、一切の試合を禁じます!念の修行、及び念について調べることも許しません!
今後これが守れないようであれば君に教えることはもう何もありません。どうですか?」
ゴ「分かった、ちゃんと守るよ。約束する」
ウ「左手を」
ウィングさんは右手の指に何か紐を結び付けた。鋏で普通に切れそう
「それは?」
ウ「誓いの糸です。これを見て常に約束を忘れないように」
ゴ「うん」
ゴン君の瞳が静かに糸を見据えた
その後ウィングさんはキルア君を連れて外に出て行った。どうやら彼のみに話がしたいようだ。という訳で私達はお留守番。横ではきくがおはじきをパチ、パチと飛ばして遊んでいる
ゴ「そういえば…さくらんぼはいつから念ができるようになったの?」
「え、ううん…私もつい最近その存在を知らなかったし…」
ゴ「知らぬ間にゆっくり起こしてたって事?何か転機になるようなことなかったの?」
「まあ、野宿を始めてからは鍛えてたよ。後は…強いていうなら日本生まれだったのも大きいのかも。日本の武道は体と精神する教義が多いから念の方便と少し似てるんだ」
ゴ「へえ、凄いや。みんな戦い慣れしてるんだなぁ」
「次にギドと戦うときはもうちょっと客観視しないとね」