第6章 新たな旅
「アレに細かな命令なんてされてない。あるのは念の力だけ。
あの遊びは、只ぶつかった相手を弾き出す相撲。
だから…見切る必要なんてない。
それに早く気づいて、ゴン君」
場外に出て一旦頭が冷えたのか、彼にも分かったようだ。弾き飛ぶコマを躱し、ギド本人へ向かっていく
そう!
と拳を握って喜んだのも束の間、ギド自身がコマとなって回転し始めたのだ。そのスピードはリングを回るコマに劣らない程。
得点も既に9ポイント奪われている。ここで万事休すかと顎を下げたが…
彼はとんでもないことをしたのだ
「……
オーラを…消した…?」
キ「バッカ野郎!!!ウィングが言ってただろ!!生身で念の攻撃を受けたら身体は一たまりもないんだぞ!!!」
キルア君の声にも彼は動じていなかった。本当に聞こえないのか、はたまたシャットアウトしているのか、それは誰にも分からない
「何を…するつもり」
ここで絶をする意味は…
と、
猛スピードで迫るコマを今度はちゃんと避けた。目を閉じている筈なのに、だ。まぐれか、と思えば次の二発もするりと避ける。
たまたまなんかじゃない…ゴン君は…感じてるんだ
コマ自身が放つオーラを
キ「右腕とう骨、尺骨完全骨折。上腕骨亀裂。肋骨三か所完全骨折。亀裂骨折が12か所。
全治3か月だとさ。このドアホ」
「お馬鹿」
き「間抜け」
ゴ「…ごめん」
私達が次にゴン君に会えたのはベッドの上だった。彼は結局一時間程あの攻撃をよけ続け、絶の状態で最後の一発を受けた
キ「俺に謝っても仕方ねーだろ!一体どーなってんだよ、この頭ん中はよ!あ!?」
ゴ「う、あう…」
キ「念を知らずに洗礼を受けて来た連中は嫌って言うほど見て来ただろ!一歩間違えればお前もああなってたんだ!この程度で済んだこと自体幸運なんだぞ!ったく、何の為にメガネ二イさんが教えてくれたんだか」
ゴ「うう…でもなんか大丈夫かなって思ったんだよね…何回か攻撃受けてみて…まあ急所さえ外せば死ぬことは…
おおおぉぉ…」
キルア君の脚で最後まで言わせて貰えなかった。
その辺にしなよ、という前にノックがあった
「はーい」
扉を開けると立っていたのはウィングさんだった
「部屋にいますよ」
そう言って私は部屋へ招き入れた