第2章 出会いと疑いと
((グチャグチャ
ぬかるみが酷くなってきた。湿原だからか…霧も濃くなってきた
き「お姉ちゃん大丈夫?」
「ん、これぐらい訳ないわ」
まだ1次試験は終わらないみたい。ずっと走ってる
それにしてもあの男…なんだか狂気に満ちた人物。こりゃ霧に乗じてかなり殺るな。認めたくないけどあの人からも同じ匂いがする。こんな仲間意識のサークル嫌だけどね。きくを守るためにも出来るだけ離れなきゃ
うわあぁぁア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!
ぎゃあぁぁア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!
すると、あちこちから悲鳴が聞こえるように。
きくが不安そうに後ろを振り向いた
「騙されてしまったのね…」
私はそうひとつ呟いて後は口を噤んだ
き「お姉ちゃん?」
ああ、早くこの時間から終わりたい…
サ「お疲れ様でした。こちらが2次試験会場となります。開始まで暫くお待ち下さい」
「やっと終わった…」
き「さすが、タダじゃ帰さないよね
あそこに建物があるよ!あそこでやるのかな?」
視界の中心には体育館のような、かまぼこ状の建物があった
「正午に試験開始…か。まだ時間あるね」
き「待てって言うの?めんど。にしても…」
((ぐわぁあぁぁあぐるるる
き「中うるさ!!!」
正午だ。重々しい扉が開く。一体建物にはどんな獣がいると言うのだろう
「え?」
き「は?」
中にいたのはソファーに座る女性と…大柄な肥えてる男性だった
「どお?ブハラ。十分お腹は空いてきた?」
「もー聞いての通りペコペコだよ」
き「「腹の音かっ!!!」」
メ「あたしは美食ハンターのメンチ。2次試験のテーマは料理よ!あたし達2人が上手いと言う料理を出すことが出来たら晴れて合格!」
まさかハンター試験で料理を試されるなんてな…なんというか気まぐれ…メンチさんの後ろに座る、ブハラという男性は続ける
ブ「俺の頼む料理は…」
ごくり
ブ「豚の丸焼き!俺の大好物!」
「「ふっつー!!!!」」
口には出さないけどこれはさすがにツッコミどころがありすぎる
ブ「豚の種類は何でもいいよ。持って来てくれれば良し!」
スタートの鐘が鳴る
き「豚なんているかなー?」
「森の中だし探せばいるでしょ」