第2章 出会いと疑いと
((ゴウン
「あ、階段の扉が閉まっていく…」
サ「ここはヌメーレ湿原です。人を欺いて食す生物も多々います。油断していると…死にますよ?」
「騙されるな!!!!!!」
振り向くとボロボロになった男性がいた。片手には人間そっくりの顔をした手足の細い猿が
き「どういうこと?」
「んーと、つまり、サトツさんは人間に化ける猿で、自分が本物の試験管だって。ついて行くと仲間の集団で襲われて食べられるらしいよ」
き「こうなると、区別がつかないね…」
そうきくが呟いた瞬間
「危ない!!!」き「えっ」
間一髪できくを庇った。トランプがまるで剣のように飛んできたのだ。飛んできた先を見ると、ピエロに似たオールバックの男がいた。
「くっくっくっ、なるほど…そっちが本物♡」
見ると、サトツさんはあのトランプを見事に回避しているが、嘘だと証言した男は顔面にトランプが突き刺さっていた。そうか、ハンター試験の試験管に選ばれる人は相当の腕があるってことか
サ「その通りです。ですが、今後このような行動をした場合は試験管への反逆と見なし、即失格にしますからね」
「はいはい」
サ「まあ、このように人を騙そうとする生き物がいる訳です。先程も私のことを試験管では無いと疑った者もいるでしょう」
き「んなもん分かんねーじゃん」
「きく、おいで」(小声)
き「ん?」
「おんぶ。私がサトツさんの後を追う…」