第5章 塀の先には…
黄泉の門。この家の者だと”試しの門”と呼ばれている大きな玄関は名前の通り力を試す場所。片方で3トンあるらしい
試すには施錠が外れていないとできない
つまり、元々鍵なんてないって事
警備員だと思ったおじさんはただの野獣の清掃員だった
「これがまた年々難しくなってきてね…」
門を開けたおじさんが年を感じるように腰を叩いた
これができなければゾルディック家に入る資格なし。さしずめそういう事だろう。事実その門以外の侵入者は例の野獣に食い殺されてしまう
侵入者は嫌だと言い塀をよじ登って行こうとするゴン君を止め、ひとまずおじさんに門を開けてもらうことになった。これならゴン君は食い殺されない。
重い門を開けると庭…というよりも森に近かった。近くの木々がざわりと揺れた。前を見ると、狐のような、オオカミのような顔つきをしたティラノサウルスレベルの途轍もなく大きな獣が現れた。茶色い毛で覆われて、瞳はつぶらで何も移さない。その無垢さが返って狂気に感じた
明らかに、この庭の主だ。
ゴン君は冷汗をかきながら対峙する。
おじさんが「ミケ」と呼ぶその獣は私達が”門”から入って来た物だと目で認識すると、何も言わずドスンドスンと去って行った。皆が一息つくとおじさんがゴン君に話しかける
「さっきのを見て戦いたいと思ったかい?」
ゴ「ううん、いやだ」
必死で首を横に振る彼
「キルアお坊ちゃんに会うにはまずここを突破しなければならない」
おじさんの提案で私達自身で門を開けられるように訓練してくれることになった
―――二週間後
((ギギギ…
ゴ「わあ!凄いや、レオリオ!!」
レ「よっしゃぁ!一の門突破したぜ!」
「これは…驚いた。この短い期間で習得するとは」
ハンゾーの傷を一週間で完治させたゴン君と荒く息を整えるレオリオさん、そして彼らに感嘆の声を漏らしたおじさん
皆短い期間で扉を開けられるようになっていた
ゴ「お世話になりました」
「ここから先は本職の執事たちがうろついている。気をつけなさい」
少し荒い道を進んで行く私達の背中をおじさんは見守っていた