第5章 塀の先には…
ゴ「え、どうして?」
ゴン君が無垢な瞳で聞いて来た。私にとって、それは眩しすぎて触れてはいけない物に近かった
「私は…キルア君を助けられなかった」
ゴ「?」
「ギラタクルがゴン君を殺そうとした時、私は恐怖で身体が動かなかった。レオリオさんも、クラピカさんも、皆彼を守ろうとしてくれたのに…」
レ「はあ?あれで動けないのが普通だと思うぞ」
「けど事実見殺しにしたのも同然…もしあの時に本気であいつが殺しにかかったら…?どうなってた?
本当だったら今ここでゴン君と顔を合わせることだって許されてないのに……
あああああ…私は化け物なんだ…だk」
((パシン
「!?」
ゴ「ビオラってこんなに馬鹿だったっけ?」
普段の可愛い声とは聞いたことのない重く、力のある言葉だった。頬がじんわりと焼けるように痛かった
ゴ「俺だってムカつくよ。本当だったらもっとあいつにぎゃふんと言わせてやりたい!けど、それは本当のビオラの気持ちなの?」
「…」
ゴ「友達になるのに権利なんていらない」
義務から権利へ、権利から自由へ…
ゴ「それに俺は今死んでない!!
ここにいるよ!!」
叩かれた頬を手で押さえられしっかりと視線を合わせられた。心臓が飛び出そうだったけれど闇から一度抜け出すには十分だった
闇と光が混ざり合うとき、何が起きるのだろう。聖書には混沌(カオス)となり厄災が起こると書いてあったけど…
調律することは…ないのかな?
「……ごめんなさい、私間違ってた…
もう失わない為に…今動かなきゃ…」
立ち上がると三人ともほっとした表情を見せてくれた
き「ゴン、よく言った。だがな、
お姉ちゃんに手を出すとは何事じゃ、ウラああああああああ!」
ゴ「うわあああああああああ!!ごめんんんんんんんんんん!!」
暫くの間門の前で鬼ごっこが始まった