第4章 壁と黒い影
き「お姉ちゃん!!」
「ああ、ピンキー勝ったよ」
き「それどころじゃないよ!あの針野郎め!!」
「ははは…大丈夫だよ。これぐらい、細いやつだし普通に引っこ抜けば…」
私が毒針をブスリと引き抜くと
レ「止めておけ」
レオリオさんがその手を止めた
レ「下手に自分で抜くと傷が悪化する可能性があるぞ」
それから凄く丁寧に処置をされた。さらに持っているカバンからはさらに細かそうな道具や薬が
私がそれらを不思議そうに見ているとクラピカさんが付けくわえてくれた
ク「彼は…医者になるためにハンターを目指したらしい。貧困で病気に悩まされている人を助けたいんだと」
レ「勝手に言うな、クラピカ!///」
それでもレオリオさんはまんざらでもなさそうだ
「……ありがとうございます」
私がそう静かに呟くと二っとした笑顔を見せて頭を撫でまわされた
ク「それにしても…あの手捌き、普通の少女とは思えなかったな」
「あはは、普通じゃありませんからこの試験に参加したんですよ。境遇なんて聞いたって無駄ですよ、同情が欲しいわけではないので」
ク「…」
その後、試合は順調に進んで行った
ピンキーVSハンゾー
先の試合を見ていたきくは攻撃のスピードとパターンを全て記憶。持ち前の容量の良さで勝ちへ導いた
ハ「何だこのアマ…」
き「ふん」
クラピカVSヒソカ
奇術師に弄ばれている、ずっとそんな気がする試合だった。結果的にはクラピカさんが勝っていたけど、その前に何か囁かれていたのが少し気がかりだった
キルアVSポックル
キルア君があっさり降参して試合は早々に終わった。理由は「戦ってもつまらなそうだから」と。彼らしい理由だ。次の試合で勝てる見込みがあったのだろうか
レオリオVSボドロ
先のヒソカとの乱闘を踏まえてレオリオさんが試合の延期を申請した。許可が下り、最後に行われることになった
そして、キルアVSギタラクル
そこで事件は起きた
試合開始の合図と共にギタラクルはキルア君に話かけた
ギ「久しぶりだね、キル」
頭の中が”?”のキルア君に顔中に刺さっている針を一本ずつ外して見せる。顔は骨格を変え、別人の顔になっていく
「なっ…」
あの針…一体何なの?
そして正体を現し、冷汗をかくキルア君の言葉にみんなが耳を疑った
キ「あ…兄貴」