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タカラサガシ【キルア】

第4章 壁と黒い影


ギ「良かったね、”それ”に特に効果はないから即死はしないよ。ただ毒が塗ってあるから。長引けば体にじわじわ影響が出る。

一応ここに解毒剤は持ってるけどね」

私に見せたのはピンク色の小瓶だった

ギ「早く負けを認めた方が身のためだけど…


ああ、でもこのままもう少し様子を見たくなってきたな…」


彼は困っていそうで全然困ってない声でそう言った


ジワリと毒が回る感覚と共に頭の中で嫌な予感がよぎった。

『まさか…私の正体を知ってる…?』

横で私を観戦するヒソカが、何故かほくそ笑んだような気がした


『あの人が何者なのか、何故私に気付いたのか、目的は何なのか、聞きたいことは山ほどある。
けどここでこいつと会話するわけにはいかない…』

このままの状態で男を蹴り上げた
私はあくまで、奴に歯向かうふりをした。

「生憎、毒にはある程度耐性があるんですよ」

ギ「あー、やっぱ弱いやつじゃ駄目か」


細い身なのにこの攻撃の威力…この人只者じゃない。情報は欲しい、でもきくに危害を及ばせたくない。

どうすれば…

ギ「どうすれば…この状況を切り抜けるかって思ってるでしょ」


『!?』

ギ「そりゃあそうだよ。君の攻撃弱いもん、本気で勝つ気ないでしょ?」

背中にぞわりと黒い靄が昇った気がした

ギ「お前じゃ俺に勝てないよ。弱い者は大事なものも守れない」












「…ッ

黙れ」

















((ドスッ






気が付けば私は男を短剣で刺していた。しかし部位は腕。失格程の大事には至らなかった。


『な…何…』
血がべっとりついた剣を震えながら見つめていると、男は安心したような声で言った

ギ「確認出来てよかったよ。もうこの場で戦う必要はない。
”参った”」

「え…」

ギ「用事は君以外にもいるからね。はい、薬」




訳も分からず私はこの試合に勝った


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