第4章 壁と黒い影
一回戦後、キルア君がハンゾーに話しかけた
キ「なんで勝ち譲ったの?あんたの力ならゴンを倒すことなんてわけなかった筈だろ?」
ハ「何だよ…ああでもしなきゃ岩でも動かねーだろあいつ。
あー…ハンターとしての器量があった。ただそれだけだ」
ハンゾーは恥ずかしそうに頭をかきながら去って行った
「二回戦、ギタラクル選手VSビオラ選手!」
名を指名されてリング上に上がる。
き「お姉ちゃん頑張れー!!」
ギタラクルと名乗る男。三次試験の時同様禍々しいオーラを放っている。
やはり対面すると体が竦む。私はポケットに忍ばせた短剣を握った
「始め!」
司会者の合図とともに、男は何かを私に投げた
弾くと細い針がチリンと床に落ちた
『やっぱりそうか…』
次の考える暇も与えずギタラクルは私に針を飛ばしてくる。
『…』
しかし短剣で全て凌いだ。床にはスピードと威力を無くした針たちが雨のように落ちる
ク「な…」
『針どんだけ持ってるんだ…』
見たところ、私を近づかせないように遠隔攻撃で攻め立てているようだ。しかし、これではお互い埒が明かない。隙を見て一発物理攻撃ができたらいいんだけど…
仕方ない、こっちから仕掛けるか
前回で私に接点を持とうとしたところはちょっと気になるけど
針は手で投げつけている。人間の動きには限界の隙が生まれる
『貰った…』
しかしカウンターを持っていかれたのはこっちの方だった。
拳が目の前に映る
間一髪の条件反射で受け身を取ったおかげで大事には至らなかった
「ッ…ひょろい癖して力強いな…」
どうやってこの人から勝ちを取れば…
そう考えた時、ギタラクルがスッと指を掲げ口を開いた
ギ「その若さでこれはまあまあ驚愕だけど、”君は”まだ戦闘慣れしてないね」
((ドスッ
き「お姉ちゃん!!!」
何が起こったか分からなかった。きくの悲痛な叫び声で今自分がどうなったかを確認する。腕を見れば針山のように細いシルバーの棒が突き刺さりきらりと光る。
まさかと思い床を見て見ると先ほどまで散らばっていた筈の針たちが消えていた