第2章 出会いと疑いと
そんな声が聞こえたと思うと、大きな影が私達の頭上にできた
き「お姉ちゃん!あれなに!」
「飛行船だよ」
初めて見た物に目を輝かせているきく
1人のおじいさんが飛行船から降りてきた
「ホッ」
「あの人は…?」
メ「ネテロ会長。ハンター協会のトップよ」
き「ほう、かいちょー」
ネ「それで、この受験者達になにか不備があったのかね?」
メ「いえ、ある受験生によりレシピがバレるというトラブルがありまして…怒りでやけ食いしたらいつの間にか腹いっぱいですね…ハイ」
メンチさんがここまで謙虚になるなんて…
メ「試験管失格ですね。この場から降ります」
ネ「その必要はありゃせんよ。もう一度やり直せば良かろう。試験管も参加するという条件で」
メ「そうですか、じゃ…ゆで卵」
「?」
メ「会長、私達をあの山まで連れて行ってくれませんか?」
ネ「ふむ、良かろう」
「ま、まさかこの滝に卵があるって言うんですか?」
ネ「そのまさかじゃよ」
私達が降ろされたのは断崖絶壁の峡谷の上
メ「安心して、谷底は深ーい川よ。落ちたら20キロ先の海までノンストップだけど、お先!」
「え!」
メンチさんは谷底に命綱なしで落ちていった
ネ「この谷に吊るされているクモワシの卵を取りに行ったんじゃよ。クモワシは自分の卵を谷に強い糸で吊るす習性があってのう。その糸に上手く捕まり、卵を取って崖をのぼってくる」
メ「よっ、この卵でゆで卵を作るのよ」
き「私もやるー!」
「私達はやらなくてもいいんだって!」